大地の詩 第二章へ


 若葉が萌える頃となりました。この度の災害の傷跡は大きく、私どもも様々な影響を受ける日々で、まさに日本人皆で乗り越えなくてはならない問題であることを痛感いたします。体調を崩された方も少なくないとお察しいたしますが、いかがお過ごしでしょうか。

 さて、昨年12月に誕生した新しい形のコンサート《大地の詩》は、お陰様でたくさんの温かい励ましのお声をいただき、この度[第二章 〜光と音と〜 ]を行なうこととなりました。
 震災、原発事故という未曾有の事態に直面し、一時は動揺いたしましたが、会のメンバーで話し合いを重ね、コンセプト、演奏する意義からもう一度見つめ直しました。その結果、今この時だからこそお伝えしたいものがある、そして、それが正に今回採り上げようとしていた宮澤賢治と林光の作品に込められていることを強く感じ、予定通りの開催へ向け、迷いなく歩みを進めました。

 前回は写真展とのコラボレーションをお楽しみいただきましたが、今回はひょうたんランプを採り上げます。ひょうたんランプとは、大小様々な大きさのひょうたんを自ら育て、それに繊細な細工を施し、ランプシェードとした灯です。このひょうたんランプの灯に包まれて音を体験していただく趣向です。(ひょうたんランプ制作:石井裕士、石井ゆか 松戸市在住)

 今回演奏いたします林光の作品は、「歌曲という枠を超えて大きなエネルギーをもつ言葉と音の織りなす小宇宙」と申し上げられると思います。殊に最後のステージでお届けする『ソング』と呼ばれる作品は、作曲者自身「玄人であろうが素人であろうが相手を選ばないしたたかなウタ」と称しています。
オペラシアターこんにゃく座との協働で多くの初演を手がけるなど、林作品になくてはならない存在のピアニスト・服部真理子さんをゲストにお迎えし、ご一緒に演奏できることは大きな喜びです。

 このコンサートが皆様にとって少しでも明日に向かう元気のもとになることを願い、また、被災された方へ少しでもお力になれることを祈りつつ、メンバー一同、準備を進めております。皆様のご来場を心からお待ち申し上げます。

2011年 春       木内朋子


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